私は、PILOT社の「カスタムヘリテイジ912」を長年使っています。
白黒印刷の資料にコメントなどを付記するとき、黒インクは目立たなく少々不便です。
かと言って黒軸の「カスタムヘリテイジ912」に赤系のインクを入れるのも不恰好と思い、黒系以外のインクが似合う新しい万年筆が欲しくなりました。
新しい万年筆を探す中で見つけてその魅力にハマったのが「スケルトンボディ(デモンストレーター)」の万年筆です。
私が購入を検討したスケルトンボディ(デモンストレーター)の万年筆 3選をその特徴とともに紹介します。
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photo credit: TWSBI 580 and Mini via photopin (license)
スケルトンボディ(デモンストレーター)タイプの万年筆がおすすめな理由
普通の万年筆はペン軸が不透明で装填中のインクは見えません。
そのため、どうしてもペン軸の色や模様を変えて万年筆の違い(インク色の違い)を区別する必要があります。
1本目の万年筆の軸色の定番は黒軸です。
さて、2本目以降の万年筆の軸色に黒色以外で何色を選ぶかが問題です。
ここで選択肢として私が見つけたのが、スケルトンボディ(デモンストレーター)タイプの万年筆です。
「デモンストレーター」とは字のごとく、万年筆の内部機構を見せる(デモンストレートする)ためにペン軸を透明にした万年筆です。
本来は万年筆の内部機構を見えるようにした販売促進アイテムでしたが、これが万年筆のひとつのカテゴリーとして定着しました。
スケルトンボディ(デモンストレーター)タイプの万年筆が優れている点は以下です。
『どんな色のインクにもペン軸の色が調和できる。』
黒軸ペンから黒系以外の色のインクが出ると大分違和感があります。
その点、スケルトンボディ(デモンストレーター)タイプの透明軸であれば黒系以外のインクでも違和感がありません。
『スケルトンボディ(デモンストレーター)はどんなインク色にも対応できる万能なペン軸といえます。』
スケルトンボディ(デモンストレーター)タイプの万年筆は初心者にもおすすめ!
実は初めて万年筆を購入する ”万年筆初心者” にもスケルトンボディ(デモンストレーター)タイプの万年筆はおすすめです。
1万円以上する万年筆になるとフォーマルなデザインとなり、最初は日常使いするのを躊躇しがちです。
その点、スケルトンボディ(デモンストレーター)タイプの万年筆は透明感のあるペン軸により、カジュアルな出で立ちとなり日常使いも気軽にできます。
特に「どんな色のインクともペン軸カラーの相性が良い点」は初心者におすすめな重要ポイントです。
万年筆を使う楽しみのひとつは様々な色のインクの中から自分の気に入ったインク色を見つけることです(拘って自分でインクを調合してオリジナルカラーを作ることもできます)。
特に初心者は色々なインクを試して、自分に合ったインク色を見つけたいものです。
スケルトンタイプの万年筆であればどんな色のインクともペン軸カラーの相性が良いためインクの色とペン軸の色の組み合わせで悩んだり、後悔することがありません。
photo credit: Weapon of Choice via photopin (license)
おすすめのスケルトンボディ(デモンストレーター)タイプの万年筆
私が見つけたおすすめのスケルトンボディ(デモンストレーター)タイプの万年筆3本を紹介します。
スケルトンボディ(デモンストレーター)タイプの万年筆は透明のものが多いですが、私は色付き透明のものをおすすめします。
透明タイプの場合、長く使うとどうしてもインクキャップ内にペン先が触れてキャップ内が汚れてきます。
透明のため、特に汚れが目立ちます。
色付き透明色のペン軸の場合には多少色がついているため、インクキャップ内のインク汚れが目立ちません。
又、単純な透明色よりも色付き透明色のほうが見た目の高級感があり楽しめます。
プラチナ 万年筆 #3776 センチュリー ロジウム シャルトルブルー PNB-15000CR#51
「シャトルブルー」とはフランスのシャルトル大聖堂にあるステンドグラスの青色をイメージしたことから命名されています。
ペン先の太さにEF(極細字)がラインナップされていないのが残念ですが、それを差し引いてもペン先には大型14金にロジウムメッキがされており、適度に弾力のある書き心地と耐久性が両立している点は高く評価できます。
プラチナ万年筆の特徴であるインク乾燥防止機能:「スリップシール機構」も標準搭載されているので機能面でも価格だけの価値があります。
ペン先にロジウムを使用していないタイプもラインナップされています。
こちらは値段も実売価格で1万円前後と手頃です。
デザインも「センチュリー ロジウム シャルトルブルー」がシルバーを基調としているに対し、こちらの「センチュリー シャルトルブルー」はゴールドを基調としており逆に高級感があります。
ペン先の太さのラインナップが豊富で、超極細〜極太まで幅広い太さが揃えられている点も好感が持てます。
万年筆初心者にとっては「センチュリー ロジウム シャルトルブルー」よりもセンチュリー シャルトルブルー」の方がペン先サイズの選択肢の多さ、価格の手頃さ、及び基本的機能の高さから最適な選択肢になります。
パイロット 万年筆 カスタムヘリテイジ(カスタムヘリテイジ92) FKVH-15SRS-TL 透明ブルー/FKVH-15SRS-TO 透明オレンジ
PILOT(パイロット)社の定番万年筆である「カスタムヘリテイジ」シリーズのスケルトン(デモンストレーター)モデルになります。
他メーカーにはない、オランジ色のスケルトンボディ(デモンストレーター)モデルが用意されています。このオレンジが私は得に気に入っています。
唯一残念な点は、インキ供給方式がインクカートリッジ方式ではなく回転吸入機構であるためインク補充に手間がかかると伴に出先でのインク補給ができない点です。
逆転の発想として回転吸入機構ということはPILOT(パイロット)社の豊富なボトルインキを使えるメリットとともいえます。
PILOT(パイロット)社には「iroshizuku-色彩雫(いろしずく)シリーズ」という日本の四季の情景にインスパイアーされた美しい色使いのボトルインクがあります。
「iroshizuku-色彩雫(いろしずく)シリーズ」の「ユウヤケ」は程よい赤色と黄色の中間色(オレンジ色)となっており、オレンジ透明色のペン軸と相性がよいと思います。
「カスタムヘリテイジ92」はペン先に14金を使いながら実売価格で1万円前後と価格も適正に設定されています。
機能と価格のバランスのとれたベーシックなスケルトンボディ(デモンストレーター)タイプの万年筆を選ぶ場合に最適な1本と言えます。
PELIKAN ペリカン 万年筆 クラシック アメジスト M205 Classic 205 Amethyst
3本の中では唯一の海外万年筆です。
PELIKAN(ペリカン)社は言わずと知れた定番の海外万年筆メーカーです。
又、デモンストレータモデルの万年筆を特別生産品含めて多くリリースしています。
「 M205 Classic 205 Amethyst」は宝石のアメジストのような薄い紫色をしたペン軸をもっています。
こんな色使いのペン軸を用意できるのはPELIKAN(ペリカン)社だけです。
ペン先素材はステンレススチール、インク供給方式はノック方式となりインクカートリッジは使えません。素材、機能面でいうと国産万年筆の同一価格帯の万年筆と比較して見劣りしますが、唯一無二の軸色というプレミア感を考えると十分選択する価値があります。
アメジスト以外にも、以下のような軸色も用意されています。
又、万年筆を蛍光マーカーとして使用する目的で、「Classic ハイライター」シリーズというライナップもあります。
このシリーズでは専用の蛍光色インクが用意されており、軸色とインク色をトータルにコーディネートできます。
以下のshiny green(シャイニーグリーン) は得に爽やかさのあるグリーンが物欲をそそります。
プレミア感のあるデモンストレーターモデルを使いたい場合には、PELIKAN(ペリカン)社が豊富にラインナップしているデモンストレーターモデルから選択するのがよいと思います。